「釜揚げ」と「ぶっかけ」
讃岐うどんには、原則としてうどんを茹で上げてからいったん水で締めるという工程があるのですが、食べることにせっかちな讃岐人が、このいったん水で締めるという作業を省いて食べ始めたのが「釜揚げ」という食べ方であり、これがいつしか讃岐うどんの定番メニューになっていったのです。
「釜揚げうどん」は、茹で上がったうどんをそのまま箸ですくって、つけダシにつけて食べます。一回も水洗いしていないのが特徴です。基本的には、茹で汁の中に入った状態で提供されます。これがたらいの中に入って出てくるのが「たらいうどん」であり、こちらは大勢で食べるのが目的です。
「釜玉うどん」は、あらかじめ溶き卵が入った丼の中に釜揚げ状態のうどんを入れ、卵とうどんを絡め、そこにかけダシや醤油をかけて食べるものです。また、「ぶっかけうどん」は、茹で上がったうどんをいったん軽く水で締めた後、そこに濃口のダシをそのままぶっかけて食べるものです。その原型は、猪口にダシを入れてそこにうどんをつけて食べていた「湯だめ」という食べ方だったようですが、それが変化してダシをそのままうどんの上にぶっかけて食べるようになり、さらに、その上に色々な具を載せるようになっていったのです。ある意味では一番進化し続けているメニューかも知れません。
「釜揚げぶっかけ」は、茹でたてのうどんを水で締めずに鍋からそのまま丼に移し、そこに濃い目のダシをぶっかけて食べるメニューです。